※現代学生さんパロディーさんです。






















【Time record】





「おや、長次」
流麗な笑みは相変わらずで、この前あった時よりは幾分か短く、さっぱりした髪型で仙蔵は行く手を遮る様に姿を現した。
いつも会う度に服装の好みや髪型が変わっていたりするのだが、彼が何をしているのか誰も知らない。
「……」
沈黙のまま、目を合わせると、それをまた勝手に挨拶と受け取ってくれたのか、仙蔵はぺらぺらと勝手にしゃべり始めた。
「久しぶりだな、165時間振りか」
「……一週間」
ややこしいと思いながら計算し、それが一週間だと解ると、訂正のため言い直した、確かによく思い出してみれば仙蔵とは一週間ほど会っていない、そもそも高校卒業以来の進路がお互い違うのだ、一週間と言う期間もその進路を考えればまだ短いうちで「久しぶり」と言う表現はやや不適切ではある、現に二年以上、会っていない友人もいくらかいた。

「ややこしい」
率直に意見を言えば、仙蔵は目を丸くして少し驚いたようにしていたがすぐにまたにやりと笑って「まぁまぁ」と肩を叩いてきた。
身長の低い彼は少し無理そうに腕を伸ばしている。
「一週間と言えば聞こえは短いが、168時間と言えば『久しぶり』も通じるだろう」
「……」
仙蔵得意の屁理屈である、いつもこの言葉まわしで仲間ともども煙に巻かれてきた気がする。理屈で相手するだけムダだとはもう理解し、諦めているのでこれ以上口答えはしない。
「ところでお前、今日はバイトだろう?こんな所でふらふらしてどうした?クビか?」
最後の質問はやや愉快そうに、矢継ぎ早に問いかけてくる、こちらの口数の少なさを知った上での半ば嫌がらせに近い質問だ。
ここは天下の往来で、更に言えば横断歩道のど真ん中だ、先程から通行人が避けて白と黒の縞模様の上を歩いている。
答えようとした矢先、歩行者用の信号が点滅を始め、仙蔵に引き回されるがまま、今まで来た道を逆走する羽目になった。
反対側からきた仙蔵から見れば進行方向であるが、向こう側に行きたい自分からすれば迷惑この上ない。

「クビじゃない」
「とすると単なる休みか、つまらん」
そもそもそれ以前になぜシフトを知っているのか、と言う疑問も沸いたが、一瞬の後、先週会った際に呟いていた気がして踏みとどまり、よくあんな呟きを覚えていた事だと感心する。
そう言えば自分が基準で面白そうだと思ったものに関する記憶力は超人的であった。
「で?こんな所でふらふらしてどうした?」
仙蔵の後ろでは、本来なら素通りするはずだった横断歩道の上を、「進んでも良い」という青い光から許可を得た車が唸りを上げてはすれ違いあっていた。


◇◆◇


雷蔵は友人達と四人で広いキャンパスのメインとなる通りから横に逸れた道を歩いていた。
今日はもう全員授業はなしで各自自由に過ごせる時間の到来だ、開放感からか足取りは全員緩やかで他愛もなく無駄で有意義な会話を繰り広げている。
ふと、人通りが少ないと言うのに後ろから走ってくる足音が聞こえ、雷蔵だけが振り返る、他の三人は他人事だと思っているのか振り返ろうとはしなかった。
だが実際、この足音の持ち主はこの四人に用があり、雷蔵がその人物に気付いて隣の友人を小突く前に、事態は急変した。

「久々知先パーイ!」
明るい声と共に、体格の良い体が雷蔵の隣を歩いていた兵助の背にぶつかり、そのまま圧し掛かる。
三郎と八左ヱ門もようやく事の次第に気づき、驚いて兵助とタカ丸を見る。
「さっ…斉藤…っ!!」
兵助はと言うと容赦なく、無邪気に圧し掛かっているタカ丸もろとも倒れこむのをなんとか二本の足で踏ん張り、堪えている。
そのさまは痛々しいが同時に笑いも誘い、雷蔵以外の二人は堪え切れないように口元に手を当てて必死に笑いをおし留めていた。

重さに耐え、なんとか体勢を整えなおした兵助に、一年後輩――と言っても先に二年ほど理容系の専門学校に通っていたので年齢は彼らの二つ上だ――の斉藤タカ丸はなおもかまわず抱きつく、説明するまでもなく彼らは男同士である、女同士では良く見かける微笑ましい光景でもあるが、ガタイの良い男同士ではイマイチ微笑ましいとも思えない。
「今日、サークルで飲み会やるんですよー一緒に行きましょう!」
「は?急に言われても――」
「さ、行こー!」
もはや兵助の了承得ぬまま勝手に事を進めているタカ丸は抵抗している兵助の腕をひきあっという間に連れ去っていってしまった、後の三人は次第に豆粒になってく二人を見送るのみである。

「あいつ、サークルなんて入っていたか?」
三郎の、笑いを堪えた言葉に答えたのは八左ヱ門だった、雷蔵は不安そうに酒の弱い友人の行く末を見守っている。
「いつもなにしてんだかわかんない、そんなことでいいんかい?とか言われてる『花火製作サークル』…」
因みに主な活動は夏に行われる花火大会をとにかく見まくる、というだけである。


「あ!」
「なんだよ?」
二人を見送った向こう側で、八左ヱ門が何かを見つけたように走り出す、そこにはクセのある色素の薄い髪を揺らした青年が両手に分厚い本を抱えて歩いていた。
「なんだぁ?あいつに用があったのか?」
目を凝らしながら八左ヱ門の行方を見届ける三郎に雷蔵が説明を始めた。
「善法寺伊作さん、うちの大学の授業受けに来てる外部の大学生さんだよ」
雷蔵が「年上なのだから『あいつ』なんて言っちゃダメだよ」と説明を更に付け加えている途中、伊作は前方から転がってきたみかんに足をとられものの見事に転んだ、ぎりぎり助ける事に間に合わなかった八左ヱ門は慌てて彼の回りに散乱した本を拾い始める、彼らが何を話しているか、距離がある所為で全く聞こえない。

「ははぁ?さてはあいつ…」
「流石だね、僕は言われるまで気付かなかったよ」
お互いの、とくに八左ヱ門雰囲気を見ただけで三郎は先程八左ヱ門が急に走り出した意味を悟り、にやにやと笑いはじめる、明日から三郎が飽きるまでからかいの対象となるのだろう。
この先一週間の光景を想像し、その騒々しさに雷蔵は肩を落とした。
「は?ちょっと待て、言われるまで、って誰に?てかなんであの伊作って人の事知ってんだよ?」
勘の鋭い三郎は雷蔵の一言二言で引っ掛かりを覚えたらしく首をかしげて矛先を変える。
雷蔵はしまったと後悔しながら彼の視線から逃れようとするがそれはもう手遅れであった、やや不愉快そうに三郎が雷蔵を見て呟いた。

「あいつか…?」
「〜っ、そうだよ、あの人と、善法寺さん、高校の時の友達なんだよ。先週、八左ヱ門と一緒にいたら偶然あの人が高校時代の友達と一緒にいるのと遭遇して、そのまま飲み会になったんだ」
「なんで俺を誘わなかったんだよ?」
「だってお前、毎週家庭教師のバイト入れてるじゃないか!」
不機嫌を顕わにした三郎が文句を言えば、仕方がないとばかりに雷蔵も言葉で反撃をする、その反撃に更なる攻撃ができなかったのか、三郎は気まずそうに押し黙った。

先週の事だ、三郎は雷蔵も言ったとおりバイトで兵助も別に用事があるといい、ちょうど本屋に用事のあった二人で、駅前の書店に赴いた帰りだった。
バスのロータリィ近くでやたら馬鹿騒ぎをしている同い年位のグループがおり、そのグループ内で静観、もとい騒ぎに巻き込まれているようにも見える彼が雷蔵を見つけた、そしてそのまま大半の人間と初対面だと言うのに彼とその友人ら五人と、合計八人で居酒屋になだれ込み、気付いたら彼の家であった。
台風のような、それ以外例えようのない彼らであったが、噂どおり全員が個性的だった所為か強烈な印象となって残った。

遠くでは、やはりその強烈な印象に惹かれたのだろう、八左ヱ門が伊作の持っていた本を拾ったついでにひょいと抱えて歩き始めている、彼より僅かに背の低い伊作は困ったように、慌てたように後をついていって二人とも視界から見えなくなった。


それを見送った雷蔵はふと隣に視線を移すと、三郎は丁度ケータイを開いて時刻を確認していた。
「そういえば、バイトの時間…」
大丈夫なのか?と問いかける間もなく三郎はさぁと顔色を豹変させる。
「…やばい、遅刻だ…」
「ええ?!はやく行かないと…!」
雷蔵に急き立てられ、三郎は慌てながら携帯を鞄にしまい、背負い直した。
「庄ちゃん怒るんだろうなー真面目だからなーでもそこが可愛いんだよな」
不安そうであるが、家庭教師先の生徒への異常なまでの愛情表現は忘れない、その様子に雷蔵は呆れながらもう何度言ったか解らない言葉を口にする。
「お前…毎回言うけど、警察に突き出させるようなこと、するなよ…?引取りになんてこないからな?」
「酷!俺達同棲までしてる仲良しイトコじゃないか!!」
「それを言うなら同居!あーもう信じられない!こんなのと血縁だなんて!」
「まぁまぁ、おかげで成績はいいだろう」
「しかもなんでこんなヤツに限って頭が良いんだ…!」
「はっはーそれは俺が天才だからだよ」
「…その調子でいるから庄左ヱ門くんにいつもバカにされてるんだろう…?」
「うぐぅ…っ!!」
もし心がハート型で体のどこかに存在するなら、そのハートは真っ二つにへし折られているだろう、明らかにショックを受けている三郎の背をトンと叩いて見送ろうとする。
彼ら二人だけの時にだけ派生するテンポの良い会話はこれでひとまず終わりだ。

「早く行けよ、余計に遅れるだろう?」
「…なるべく、早く帰るからなー」
右手を思い切り振りながら三郎は兵助や八左ヱ門が向かった方向とは逆の、裏門の方に向かって走り始める、そちらの方が近道だと以前聞いた事があった。
彼を最後に見送って雷蔵は大きく息を吐いた。
周りを意味もなく見渡すと先程までいた三人はあっという間にいなくなってしまった。
「今日は、一人かぁ…」
このままどうしようかと悩んだが、特に予定もないので家に帰ることにした、二年前、大学進学の際に双方の両親からの提案で三郎と雷蔵はルームシェアをして暮らす事になったその家にだ、今日はそこに一人で帰らねばならない。

いつもなら、あの人が、いつの間にか隣にいてくれて、一緒にいてくれた。

たまにこうして予定の合わない時は淋しいなぁと、雷蔵はぼんやりと薄い雲がかかっている所為で全体的に薄い青色の空を見上げながら三郎が走っていってしまった方向へ歩き始めると、背後の気配に気付く、メインストリートから逸れた道といえど、決して狭い道では無いので通行の邪魔になっているという事はまずないはすだ、なんだろうと何気なく振りかえるとそこに彼が立っていた。
「あ…」

咄嗟の事に一瞬だけ意識が飛び、理解ができなくなるが、むすっとした、眠そうなその表情が微動だにせず見下ろされていることにそれが本物の彼だという事に納得し、顔を一瞬でほころばせる。
「中在家先輩…」
「迎えに来た」
高校の時からの先輩で、大学も同じ(雷蔵がついてきたという表現が正しいが)中在家長次とはもう三年以上の付き合いだ。
時間が合えば許される限り一緒に過ごすのが雷蔵の日常であった。
だが今日に限っては長次がバイトであるため「日常」ではないはずなのだ、彼がここにいることは、嬉しい事だが同時におかしい事でもある。

「あの、なんで…」
「急に休みになった」
首をかしげている雷蔵の疑問を的確に捉え短く答える、その答えが的確すぎていつもそこで会話が終了しているのだ、このやり取りをはじめてもう何年経っただろうか、他者にはなかなか馴染めないやり取りであるが、雷蔵はとうに慣れてしまっていた、時間があればあるほどに会っているのだ、慣れて当然である。
「あ、ありがとうございます…嬉しいです」
突然の事に呆気にとられていた雷蔵だったが、ふいに彼が急に空いた時間でも真っ先に自分に会いに来てくれたという事が嬉しく思え、笑顔を見せる、それを見た長次は自分のアゴよりわずかに低い所に位置する、雷蔵のふわふわした髪に手を乗せて撫ぜ始めた、本人たちどころか周りの人間も見慣れた光景である。
こういう時は大抵長次が何かを言いたいという前兆であるので、雷蔵はただ黙って彼が言葉を発するのを待った、しばらくすると予想したとおりに長次はいつものようにぼそりと呟く。
「…十八時間ぶりか」
「え?」
また解りにくい事を言っていると雷蔵は困ったように眉をひそめる、普段から口数の少ない長次の意図を推し量るのは困難で、中の良い高校の友人や雷蔵でさえも時々判らなくなる時がある。

確かに昨日は長次手製の夕飯をご馳走になり、夜、家まで送ってもらいそれから数えると確かに十八時間ぶりの再会ではあるが、何故ここで時間を話題に出してくるかが解らなかった。
「…あまり…長いとは感じられないな…」
突風にも似た風をその大きな背で防ぎながら、自分から言っておいて首をかしげる長次の呟きに、ますます何をいわんといているのかがわからないので、雷蔵は生返事をしながら首をかしげることしかできない。
「そうですよ、時間があればあるほど逢っているんですから」
逢えるのであればできるだけ長く、多く、逢っていたいのだから次に逢うまでの時間が短いのは必至、ふわりと笑う雷蔵の言葉に長次はそうかと納得したように頷き、そのまま彼を見下ろして立ち尽くす。
どうやら何かを考えているようで焦点が合っていない、ただでさえ口数の少なさゆえに不可解な行動の多い長次だ、雷蔵は不安になって回りの様子を窺うが、個性的な人間が集まる構内で、更に割りと人通りの少ない道だ、長次のこの行動を気にする人間は皆無であった。
少しなら大丈夫かとほっと胸を撫で下ろしながら雷蔵は長次の様子を見守る、雷蔵とは違い、さらりとした髪は風に乗って上手い具合にゆれる、雷蔵はこの髪が流れるように動く様が好きだった、自分の、クセのある髪では到底出来ないことだからだろう。
ほおにはまた実験か何かで傷つけたのだろう、うっすらと切り傷がついている、その切り傷は絶える事無く姿を変え、常に彼の頬に居座っている。


「じゃあ…三万時間」


考えが纏まったのが、口にした言葉はやはり不可解で、先程の十八時間こそ計算できたものの、三万時間なんて何日分に当たるのか、それまで意味もなく長次を見上げていた雷蔵は計算しきれず混乱する。
長次はそんな雷蔵の手を取る、細長い爪と指は節がなく、すとんとシンプルな形を形成している、適度に日焼けした暖かいその手は長次の大きい手にすんなりと収まりきってしまった、雷蔵の手もそれほど小さい方ではないのだが、むしろ縦に長いのであるが、長次の手には敵わない様だ。
お互いじぃとその握り合った手を見ていたが、相手の顔色を窺うようにゆるりと視線を移す、するとそのタイミングは上手い具合に二人そろい、目が合うような格好となった。
「付き合い始めて…三万時間」
「……!」
ただでさえ手を取られて付き合い始めた頃と変わらずドキドキしていると言うのに、不可解な数字の出所を知らされた途端、急激に雷蔵の心拍数が増した。
彼はずっとそれを先程失敗した『時間』で表現するため計算していたのだ。
雷蔵の顔はいよいよもって堪えきれなくなったのか真っ赤に染め上がり、長次はそれを見て、その三万時間前の、彼と記憶をダブらせる、あの頃から、目の前にいる可愛い人は少しも変わっていない。
そう思うと何故だか無性に嬉しかった。

「さっ…三年半じゃないですか…」
それは抵抗なのかそれとも時間を換算した答えをただ言ってるだけなのか、どちらにしろ大して意味のない言葉を発する雷蔵の声はか細く震えている、どうにも赤面しているのを誤魔化したいようだ。
「三万時間なら、長い」
そのうち一緒にいられた時間は何時間になるかは解らないが、お互いに気持ちが通じ合って一歩踏み出したときからそれほどの時間が経っているのだ。
雷蔵は長次のその声を聞きながら共に過ごした時間がとても膨大な時間である事を改めて実感する、年数に例えてしまえば先程も言ったとおりの三年半であるが、時間にすればなんと長い時であるか。
雷蔵は照れながらもどこか淋しそうにその時間を噛みしめる。
「三万時間も…一緒にいてくださったんですね…」
光年で例えれば、メートルで例えれば、そんな事を次々と考えたが、どの単位にしたところで「三万」という数字は大きく、もはや雷蔵にとってはどうでも良い事だった、その時間を一緒に過ごせた相手が目の前にいるのが嬉しかった。
「ありがとうございます」

朗らかに笑う雷蔵とは反対に、やはり無表情のままの長次は彼が何故「ありがとう」と言うか解らないでいた、一緒にいたいと思うのはなにも雷蔵だけではない、長次もまたそう願っているのだ、長次にとって雷蔵から感謝を言われる事は不可解である事にかわらない。
(ああ、まだ謙遜が抜けてないのか…)
年上の、長次に対しての謙遜、高校の、それこそ付き合う以前から、ずっとたったの一歳と言う年齢差で雷蔵は長次に距離を置く、付き合い始めてここ最近、ようやく並ぶ事に躊躇いを無くしたかと思ったが、あまりそうでもなかったらしい。
そもそもこうして誰かに思われているという事に対して「ありえない」と信じきっており、とことん鈍い反応であるのだ、謙遜もその鈍さから来る延長線である。
「まだ、もっと、長くなる…」
「『ありえない』事を信じられなくなること」を望み、構内であると言うのに、人目を憚らずに長次は雷蔵をその腕の中に入れる、雷蔵は突然のことに一瞬だけ動きを止めたがすぐに恥ずかしいのか意味不明な驚く言葉を数度吐きながらもがき出した、長次はわざとそのまま捕らえて離さない。




共に歩みたいのだから、せめて距離は置かないでいて欲しい。


一緒にいるだけではなく、隣の一番傍にいて欲しい。


これからの長い時間、いつか自分からそこに立っていて欲しい。




観念したのか、雷蔵がふいに大人しくなる、僅かに腕を緩め、しかし逃げられないように油断はしないままで覗き込めば、雷蔵は泣く事をこらえる様にしてじっとしていた。
長次の心の中で望んでいた事が聞き入れられたわけではない、だが、自分で何かを察したようである、今、言葉を発する事があれば間違いなく嗚咽が混じる、それを知ってか雷蔵はしばらく押し黙り、涙で緩々になった鼻をすすり、下瞼にたまった涙を拭いた、どうやら涙が流れる事は阻止できたようである。
「…長く、いてもいいんですか?」
「そのまま…同じ質問をしかえすぞ?」
珍しく、素早い返答に笑った。






『これからもずっと一緒にいてもいいですか?』
 『これからもずっと一緒にいてもいいですか?』



『いいですよ』
 『いいですよ』







一時間、二時間、三時間。









そうして増えてく大切な時間。































という事で三万打お礼記念の小説は忍たまです、長雷メーンに取り扱いCPちらほらです。
三万をテーマに「出会って三万日」にしようと計算したら八十年以上にもなるので、使えないなぁと時間に変更;それでも三年半ですが;;三万って本当、すごい膨大な数字なんですねー…ご来訪、ありがとうございます★

記念でこんなのですがお持ち帰りオッケーですー。
でもふと思った。こんなん誰が持っていくんだろう…?!


‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*
ええと、以下反転で妄想解説。(してもいいのかなぁ…??)
雷蔵…大学二年生、長次とは高校からの付き合い。
長次…大学三年生、バイトは花屋(フクトミフラワー)、朝顔育ててる(笑)やっぱりド器用。

三郎…雷蔵と同い年のイトコ、双子に間違われる。庄左ヱ門大好き、雷蔵大好き。
庄左ヱ門…子供なのにクール、なんだなんだ言いつつ三郎を尊敬してる。

兵助…雷蔵たちとは大学に入ってから友達になった、タカ丸と同じサークル。
タカ丸…高卒してすぐ理容専門学校(二年制)を卒業して大学に入った。兵助大好き人間。

竹谷…高校の時からの友人、だけれど伊作とは初対面。
伊作…別の大学の学生さんだけれど、講座を受けに雷蔵達の大学に出入りしている。

仙蔵…職業不明だが稼ぎは良い、会う度になにか変化がある。
食満…長次達のグループでの常識人、故に振り回され役。
孫兵…食満を兄のように慕うお隣さんで竹谷の弟、高校生。
小平太…長次の親友のくせに二年位世界を駆け巡って音信不通。

食満孫はね…彼らとの接点が元々薄いため、非常に絡めにくい事に気づきました、設定だけはあるのに…

因みに、栞の最終学歴は高校なので、大学風景は嘘っぱちです。てかキャンパスライフって本当に未知…!!これを書くに当たって友人の大学に行こうかと本気で悩みましたヨ…!






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