「……」
辺りは見回す限りの新緑。
遠くからの鳥の鳴き声とモンスターの息づく音。
草で覆われた大地。
風が知らせるのは――…

「…はぐれてしまいましたね」


【春水想】





先ほどから森の中でこう着状態が続いている。
暗い紫の髪をした少女――もう女性と言ってもいいかもしれない――は不機嫌そうに口を閉ざし。
愛らしい巻き毛の少女は半ベソで俯き。
銀髪の少年も整った顔立ちをゆがめ。
それらをおたおたした様子で金髪の少年が交互に見渡す。

彼らは一斉に抗議をしている。
目の前の茶髪の少年に――


「いくぞ」
そんな抗議をものともせず少年は身を翻し、この森にある唯一のか細い道を歩きだす。
そう、それが最善の行動なのだと自らに言い聞かせながら。
「待てよ」
それに抗うように銀髪の少年が引きとめるとやれやれと言った様子で振り返る、その表情は不機嫌そのものだった。
「なぁもう少し待ってみねーか?ひょっこり顔出すかもしれないし…」
彼らにはこの場に居る他にももう一人仲間がいる、合計六人の旅はまだ始まったばかりだが毎日顔を突き合わせては喜怒哀楽を共有しているのだ、多少の衝突はあれど家族の様な、あるいはそれとは別次元の特別な繋がりさえ感じる大事な間柄である。

そんな仲間の一人が先ほどモンスターに襲われた際はぐれて行方不明となってしまったのだ、もう襲ってくるような凶暴なモンスターはなりを潜めたが皆不安で一刻も早く合流するため探しに行きたかった。
それをこのたった一人の少年が反対した。
「ホークアイ、さっきもその言葉を聞いたぞ」
怒気をはらんだ低い声が更に重くさせる雰囲気を和らげるように銀髪の少年、ホークアイは明るい声を発する。
「だって…心配じゃねーのかよ?モンスターも少なくない森の中で、一人で彷徨ってるんだぜ?」
「そっ!そうでち!ケガとかしてうごけなくなってたら…」
「ねぇデュラン、やっぱり探しに行きましょうよ」
「シャルロット…アンジェラ…」
ホークアイの言葉にはっとして賛同するように残りの仲間が口を開く。

それに何度目か判らないため息をつきながら非難されている少年は言い返す、これも何度めだろうかと思いながら。
「あのなぁ、ここのモンスターも弱い方だしあいつなら装備もきちんと計算して使ってる、怪我して動けなくなるなんてよほどの事だ。それに目的地もこの森を抜けた所にある村だって知ってるんだ、俺たちがいつまでもここにいる意味はない」
「でも…!」
なおも食い下がるアンジェラは自分の言い分が通らずイライラとデュランへつっかかる、だがその次の言葉は無い。
「ここで待ち過ぎて森を抜けるのが遅くなったらこっちだって危険だ」
「だーかーら!そのキケンな目にあわせないためにもさがしに行くべきでち!」
たどたどしい言葉遣いで巻き毛の少女シャルロットがそれこそ延々と討論が続きそうな理由で講義する。彼女らが先ほどからもう一人の仲間の事を案じているのはデュランもよくわかっている、だからこそこのこう着が続いているのだ。

「デュラン…みんな、心配」
もう話についていけないのか困り果てた表情で先ほどからなにも発言しない金髪の少年ケヴィンがデュランをじっと見る。
「いいか?!あいつは槍一本さえありゃ俺より強いんだぜ?ここらのモンスターなんて全部蹴散らして俺たちと合流するため村に向かうはずだ」
「この辺に戻ってくるかもしれないだろ?」
「これだけ待って戻らないなら迷ってんだ、それならここに戻ってくるより森を抜けて村を目指した方が確実だ」
最後の説得とばかりにデュランは大声で捲し立て、それに負けじと意見を出すホークアイも一蹴された。
「ホラ、行くぞ」
今度はホークアイの引きとめる声も届かない、そう踏んだ彼らは名残惜しそうに振り返りながら森を抜けるため先を歩き始めた。



戦ううちに周りが見えなくなるなど大失態だと反省しながらリースは一人で森を抜けていた、モンスターは多いが実際に襲ってくるのは少なく、彼女にしてみれば楽に勝てる小物ばかりだった。念のため確認したアイテムもこの森を抜けるには十分な量を持っている、傾きかけた太陽の位置を確認し自分が進むべき方向を定める、日暮れには間に合わないかもしれないが無事自分たちが向かう次の村へ辿りつけるはずだ。

「…みんな心配してるでしょうね…」
思い浮かぶのは仲間の不安げな表情だ、特にシャルロットは幼い分もしかしたら泣いているのかもしれない、そんな事を考えながら気を紛らわせ大地の草葉を踏みしめる。
先ほどまでは森の中に敷かれた頼りなさげな道を通っていたが今はそんな歩きやすい道など全く見当たらない、敵はモンスターではなくこの木の枝かもしれないと思いながらリースは自分の足の、無数にできてしまった引っかき傷を見て苦笑した。
「ああ、でも…デュランさんなら全くお構いなし、なんでしょうね」

再び苦笑。

血気盛んで年上とはどうも見えない彼だが戦闘には慣れている、きっと不安がる仲間を引っ張って村へ向かってくれているだろう。
(きっと私の心配などしていない)
同じく戦闘慣れしているリースはそう思われる事を誇らしく思い苦笑が微笑みに変化する。それはつまり自分の実力を認めてもらえていると言う事だ。
「でも、まだまだ弱い人に思われても…ですよね」
くすくすと響く笑い声にはどこか近い将来への期待が込められていた。
太刀筋は甘く、ただ豪胆で計算の微塵も見られないが正反対の戦い方だからこその学ぶ所がある、更に言えば出会った当初からメキメキと成長していく様はいつか追い越されてしまうだろう、それはそれで悔しいがどこか嬉しいと思うのも本音だ。
いつか、背中を預ける事が出来たら―――…

「同じく戦う者として、幸せですね」


がさり、というモンスターの気配にゆっくりと槍を構えた。



村は森を抜けてすぐの所にあるからだろうか、旅人が逗留するため不意に栄え、町と言ってもいい程大きな規模だ。
もちろん宿も旅人が困らぬよう余るほど軒を連ねていた。
夕暮れ近くに森をでた彼らはそんな宿の中でも一番森に近い場所を選び身体を休める。心はまだ休む事などできない。

その宿の一階にある食事処兼酒場に一人で座っているのはアンジェラ、夜になって酒が入った他の旅人らで騒がしい中、ホークアイがその目の前に立つ。
「いやーあの子らも心配性だねぇ、森の入口でリースが出てくるの待つ、って言っちゃってさー」
この場に居ないシャルロットとケヴィンは二人揃って森の入口でリースの帰還を今か今かと待ち構えている。ホークアイはそんな二人の様子を見に行っていたのだ。
「…アタシ、そーやってあんたがこことあいつらんトコ往復してるのもう十回は見た気がするわよ?」
「……」
あー…と唸るような声を発してバツの悪そうにホークアイは視線を移す、その瞬間アンジェラの手元がちらりと見えにやりと意地の悪い笑みを浮かべる。
「そういうキミだって、さっきから手元の水は減ってないし、その爪でテーブルに穴でも開けるのかな?」
「―――っ!!」
アンジェラの手元にある水はコップの周りに水滴をびっしりとまとわせそれが伝い落ちてテーブルを濡らしている、更に気が急いている時の無意識の癖なのか人差し指の先でコッコッコッコッとテーブルを叩いており、その爪でテーブルに真新しい傷が出来ていた。
その事を指摘されたアンジェラは一気に顔を赤く染めて止めた手でコップを掴んでぐいとぬるくなった水を飲み干す、直情的になるのはデュランと良く似ているなぁとその扱いやすさにホークアイは苦笑して隣のイスに座る。これでお互い様だ。
飲み干したコップを勢いよくテーブルに叩きつけ、ぷは、と息をはく。
「…ぬるい水が飲みたかったのよ」
「あーはいはい」
言い訳など右から左だ。

ちなみにこれを面白おかしく返した暁にはもれなく彼女の逆ギレが待ち構えている、彼女の場合からかうのはこの辺が限度だ、対して今も合流できてないリースはからかってもさらりと綺麗に受け流すだけだし、面白おかしくリアクションをしてくれるのは今外に居るシャルロットとケヴィンだけだ。ちなみにデュランは対象外である、馬鹿な分リアクションは確かに面白いが何が悲しくてヤローをからかわねばならないのか。
「そーいやデュランは?」
「さっき戻ってきた、まだ部屋の筈よ」
彼は宿に荷物を置いていつも通り装備品の整備やアイテムの補充に買い物へ出た。
残りの四人がリースの身を案じてとても買い物など用事を済ませられそうな様子ではないのに、不満不機嫌で出かけて行ったのを見送ったのだ。
この宿の部屋に入るにはこの部屋の脇にある階段を上っていかなくてはならない、ホークアイが来るより少し先に、出て行ったときと同じ表情のデュランが大きな買い物を持って上がっていくのを見たが、降りてくる姿をアンジェラは見ていない。
おそらく荷物を整理しているのだろう、いつもならみんなでやっていることだが一人でこなしている分、時間がかかるのだろう。

「実力信じるのもいいけどさぁ、それと心配しないのとは別なんだよな〜」
「あら、あんた判ってこっち側についてたの?」
ホークアイの発言に目を見開いてアンジェラが彼を見る。
「そりゃーナバールに居ましたから?」
他人と連携を取って一つの計画を実行するにはまず仲間の性格、実力、全てを測って認め、信じる事だ。そんな事を日常的に繰り返していたホークアイはデュランの意図をすぐ読んだがそう言った事の経験がないアンジェラは先ほど気付いたばかりなのだ、この分では外で一途に待っているシャルロットとケヴィンは気付いていないだろう。
そう思いながら絶えず人が出入りする宿の入口へ視線を移す。閉ざす扉のない、解放されたそこからひょいと顔を見せたのは金髪の三人だ。
見覚えのある彼らに思わず立ち上がれば、ホークアイもそんなアンジェラの行動を不思議に思い彼女の視線の先を見て同じく立ち上がる。
一人はケヴィン、一人はシャルロット、もう一人はおおよそ半日ぶりに見る仲間、リース。

満足そうな笑顔で二人はがっちりと離れないように、中央で挟まれているリースの腕を組んでホークアイとアンジェラの所へやってくる。
「リースしゃんが帰ってきたでちー!」
「シャ…シャルロットちゃん…っ!」
喧騒を抑え込むような嬉々とした大声でシャルロットがその喜びを表現する、隣で恥ずかしそうにリースは戸惑っている。
テーブルの前まで辿り着いてもなお二人は不安なのかリースから離れようとしない、よほど無事であった事が嬉しいのだろう。二人に強く固定され、不自然、と言うかそのままキープするにはいささか辛い姿勢でリースはアンジェラとホークアイを交互に見る。
「ご心配をおかけしてしまってすみません」
ぺこり、と下げる頭も下げにくそうにリースは目の前の二人に謝罪する、この様子だとシャルロットにもケヴィンにも同様の謝罪をしたのだろう、そして二人は歓喜のあまり抱きついてそのまま離れず――その場の様子がありありと想像できた。

「無事でよかったよ〜可愛いリースに何かあったらと思うと不安で不安で…」
「すみません」
ホークアイのからかいを耳に入らなかったように受け流し謝る。
「あ〜もう!おかえり!」
「ただ今戻りました」
無事であった事にとりあえずいろんな言葉を浴びせたかったアンジェラであったが他の三人から散々言われただろうと思い口を噤んで迎える。するとリースも力なく笑って答えた。
リースの姿は大きな傷こそないが道なき道を歩いてきたのがよくわかるほどボロボロだった。光に透かせば透明になるかのような薄い金の髪も泥にまみれ、服もあちこち解れている。
「とりあえず部屋取ってるから、シャワー浴びてきなさいよ」
「あ、はい…」
アンジェラの女性らしい提案に頷きながらリースは辺りを見回す、何を探しているのかは誰もが一目瞭然だ。
「デュランなら多分部屋、男部屋は女部屋の隣、三階の一番奥、突き当たりが女の子でその手前がヤローだから」
この場に居ない仲間はデュランだけだ、真面目なリースはまず休むよりも彼にも謝罪する事を考えたのだろう。

変わらぬ穏やかな声音に安心した四人はふうと息を吐く。それまでの緊張が一気に緩んだのだ、ぐぅとおなかを鳴らしたのは果たして誰だったのか。その音にしばらく笑い、それも収まる頃アンジェラはどっかとイスに座りなおした。
「はー安心したらおなか空いてきちゃった」
リースが現れるまで水以外何も口にしていなかったのだ、いい加減栄養を求めておなかが動き出す。
それに同調するようにケヴィンも顔を輝かせた。
「オイラも!腹減った」
「シャルロットもでち」
リースを拘束していた腕たちがゆるゆると解け身体の自由が効くようになる。辛い姿勢から解放されたリースは苦笑しながらほっと安心する。
「オレ達先にここでメシ食べるから、デュランにあってシャワー浴びたら降りておいで」
デュラン、と顎で上を促しながらホークアイも席につく。テーブルには既にメニューが広げられていた。
「はい、では失礼します」

笑顔の彼らに背を向けて階段を上る、二階から更にもう一階上がれば一階の喧騒は遠く、暗い廊下は窓から入る月明かりで縞模様に照らされリースの行く先を照らしていた。
ホークアイの説明通りに行けば一番奥は女子の部屋なのでその手前の部屋のドアの前に立つ。中には確かに一人分の人間の気配。
気配を探りながらリースはハッと、まだ森での戦闘で鋭く冴えた渡った神経がまだ治まっていない事に気付き深呼吸をする。
そうしてノック音。
軽い木の音は廊下に良く響いたが中に居る人間の返事は低くようやく聞き取れるほどだった。

「いいぞ」
出迎えないと言う事は鍵は開いているから勝手に入れと言う事なのだろうとリースはノブをゆっくりと回しできるだけ音を立てないようにドアを開ける。この静かな空間でどうしても派手に音を立てるのは避けたかったのだ。
手前にはシャワールームと思えるドア、奥にはお世辞にも質の良いベッドとは言えない寝具が三つシンプルに並び目的の人物はその周辺にだけ明かりをつけてリースに対して背を向けてベッドの一つに腰かけていた。
もうひとつ、リースから見て奥の方のベッドにはアイテムが転がっているのが微かに見えるのでおそらく荷物の整理をしているのだろう。
粗野なくせにこう言う戦闘に関する装備については嫌に細かかった、おそらく戦いから戻らなかった彼の父親が原因だろう。

「デュランさん」
リースの声に驚く事も喜ぶ事もなく、至っていつも通りの様子で振り返る。
「遅えよ」
「すみません、ただいま戻りました」
他の四人に出迎えられた時よりもその言葉に一番安堵し、自然と笑みがこぼれる。
反対に不機嫌そうな表情のままデュランは立ちあがって一歩間合いを詰めた、とっさに「ああ、怒鳴られるのだろうな」と思ったリースは微笑みながら身構えた。

伸びてきた腕は頭上ではなく肩。
その肩を通過し背中へ更に回される。
予想していなかった分、抱きしめられたのだと言う理解にも時間がかかる。
純粋に腕力だけならばデュランの方が圧倒的に上だ、解く事も叶わず――元々解く事など考えてもいなかったが――そのきつい腕の中へ大人しく収まってしまった。
「お前がいなくなるだけであいつら纏めるのに骨が折れる、もうはぐれるなよ」
今までで一番近い所で聴こえる声は、近い分微かに震えているのが判った、それに気付いてもいいのかどうかは判らない。
「ええ、今回の事は私としても反省すべき事がたくさんありますから」
言いながらリースはそれを頭の中で反芻する、しかしすぐに離れたぬくもりと見下ろす視線に気づいてデュランを見上げた。
彼は間近にあるリースの頬傷やぼろぼろの姿をようやく認めたのだろう、少し驚いたような表情でその頬傷へ軽く触れる、傷はもう塞がっているので痛みはさほど感じない。

「なんだ、無傷じゃねーのか」
抑揚のない、独り言の様な言葉にどれだけ期待されているのかとリースは噴き出して笑った。
「無敵ではありませんよ」
「あとでシャルロットに回復魔法かけてもらえよ」
そう言えば無事合流できたことに浮かれるあまりそうしてもらう事をすっかり忘れていた、仮に思い出した所でとてもそんな事を言い出せるような雰囲気ではなかったが。
デュランは何事もなかったかのように自然と離れて再び腰を下ろして作業を再開させる、この居心地の悪さはなんなのだろうとリースは違和感にただ立ち尽くす。

「みなさんは下でご飯を先にいただいてるそうです」
「やっぱりな」
「デュランさんはもう少しかかりそうですか?」
「ああ」
彼らの行動を予測し舌打ち、そしてぶっきらぼうな短い返事もいつも通りだ。愛想のカケラもない。
「じゃあ私はシャワーを浴びてきますから一緒に下へ行きましょう」
「そうだな、そうするか」
提案に乗ってくれた事に心が浮き立ちリースは足取り軽く「では」と部屋を後にする。



隣の部屋に入ると見慣れたアンジェラやシャルロット、そしておそらく誰かが代わりに持ってきてくれていたのだろう自分の荷物を認めほっとする。
(あれは…多分安心して抱きしめたんでしょうね…)
力強く短い抱擁を思い出しながら勝手に自己完結させる。
(それほど心配していたなんて、少し意外ですが)
はぐれたその時は心配されていないのだろうな、と誇らしく思ったのだが、いざこうして心配されていたのだと気付くととても嬉しい。自分にもこんな気まぐれな部分があったのかと苦笑し傷ついた鎧を外していく。
ボロボロの装備の下は汗にまみれているだけでそんなに汚れてはいない、それを確認すると彼に触れられ熱くなっている身体を惜しむことなく汗や泥と一緒に洗い流した。

きっと彼女がそれに気付いていれば躊躇っただろう、微かな想いを。



いつもなら全員でやるアイテムの補充やら装備の云々を一人でこなし、ようやく終えた彼はそのままベッドに仰向けで倒れる、所詮旅人が雨風を凌ぐためだけに泊るような安宿、壁も薄く先ほどから水の流れる音がこちらにも聞こえてくる。まだ時間がかかりそうだと言うのにデュランは先に行く事もせず、律儀に約束を守ろうとして目をつむり音が止むのを待つ。
仲間の手前、表だって出せなかった感情、それがリースの無事を確認した瞬間に一気に溢れだした。
戦場を渡り歩く者にとって実力を認められない、ましてや心配されるなど侮辱以外の何物でもないと思っていたデュランだったが、もし周りに誰もいなかったらばあの場からすぐにでも森の中に飛び込んで、少しでも早く彼女の無事を確認しようとしていただろう。
どうしてそんな馬鹿な事をしようと考えてるのだと振り払うように買い物へ行き、準備を整える事で気を紛らわせていたが―――…

「――クソッ…!」


唯一思い当たる答えも、こうして吐きだす事が出来たらどんなにいい事か。


彼もまた、その微かな想いを大切に思えない。


















デュラリーですか?と問われそうですがデュラリーですと答えます。
久々にデュラリーが書けて幸せです!
彼らは戦い漬けの人生だったので気付くのにも、自覚するのにも、受け入れるのにも時間がかかるのだと思います。
進展遅いのばんざーいい!!

タイトルは春になり氷や雪が溶けて流れる水を想いになぞらえて。







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