闇月



君は光だ

光は闇を…私を照らす

君の光は優しい

けれど

私には眩し過ぎる

あの、光の子供よりも…

ずっと…ずっと…

君は私を優しく…まぶしく照らす

光なんだ…






















「なぁ、なんでシェイドはんはルナちゃんとこに居さしてもろうてるん?」
いつも明るい…と言うよりやかましい少女が聞く、
「住む所が無い――」
「そんなら別にどこでもええやん」
続きを簡単に遮られて変な言葉遣いの水の乙女は私に言う、
「ここは年中夜だ、闇の私には丁度良い」
暗い闇の力があるその土地は
まさに私が住むには丁度良い場所だった。
だいたい、この女は何かと言うとすぐ私に突っかかってくる、
一体何の恨みがあるのだと言う位だ。


ふうんと不満足そうに頷き、少女は水の中へ沈んでいく、
流石は水を司る者と言った所だ、
ああやって少女は水のある所に現れては移動する。
「シェイドー?誰と話していたの?」
傍まで走り寄ってくる無邪気な月の娘、
この少女の住む闇の森の中に私は住んでいる、


と言うのも、
今まで住んでいた海を彷徨う船が消えてなくなり、
住む場所が無くなってしまったからだ。
闇のマナストーンのある土地も消え去ってしまった。
力の維持が難しくなってきた私は
一番闇の力のあるこの場所に住むと決めた、






ただ…それだけだ…






「シェイド?」
声が一気に近くなりハッとする
いつの間にか月の娘は私のすぐ傍まで来ていた。
「ああ、なんだ?」
「誰か来てたの?って聞いたの」
素直に、ふて腐れずに少女は再度聞き直す、


「ウンディーネだ」
「ウンディーネが?仲良いよね二人とも」
その言葉に衝撃を受ける、
あれで仲が良いと見えるのが不思議だ、
私自身うろたえた所為で
少女が機嫌を損ねたのには全く気付けなかった。
無言のまま塔へ帰る、
先を歩く影は彼女が司る月の光でできた影。


無言な事はいつもの事だった、
私が生来無口な方だからあまり話さない、
少女は最初がんばってひとりで話し続けようとしていたが、
最近は諦めたらしく私に続いて無言となった、
もちろん、私以外の者と居る時はきちんと話す、
これは私に合わせているのだ。


光の子供と一緒の時などつい向こうに乗せられて
この少女はいろいろな事を話す、
…そう言えば、この少女は光の子供とはかなり親しいな、
やはり人々を照らす者同士だからか?
そんな事をふと思う…
















いつもと違う異変にようやく気付いたのは
塔に戻ってからだった。


通常ならば、
私が無言でも一言二言なら話しかけてきたはずだ、
それが、少女は沈黙したまま先ほどから話そうとしない、
「ルナ?」
調子でも悪いのかと思い様子を尋ねてみる、
ぴくりと首がかすかに揺れたが反応はナシ、
どうやら聞こえてはいるようだが
あえて無視をしている感じだ。


「一体どうした?」
顔を覗き込むとぱっと避けられる、
子供の様な所があるとは思っていたが
これほどとは思わなかった。
だが、一瞬だけ、彼女がむすっとした顔が見えた、
質問を聞き流してもまた聞いてくるほど
素直でふて腐れた様子など見せなかったのに、
何故今そんな表情をするのだろう、


「ウンディーネばっかりずるぃ」
そっぽを向いたまま彼女は呟く、
誰に向けたのか解らないので返答に困った、
しかし、そんな返答など求めていないのか
月の娘はさらに話した。
「わたしだってシェイドと仲良くなりたい」
これは私に言ってるのだろうか?
隠居暮しも同然の身だったから人と接するのは苦手だ。
「なのにウンディーネはわたしより…シェイドと一緒に居るわたしよりシェイドと仲いい」
本当にあれで仲が良いと勘違いされているのだろうか?
だとしたら物凄く観察力がないとしか良いようがない。


「何を言ってる?」
「ウンディーネと話してるシェイド楽しそう!
でもわたしが話しかけても楽しそうに答えてくれないっ!」
被害妄想ほど怖ろしいものは無い、
そう思い込んだら一直線だ。
「ウンディーネと話してる時も
ルナと話してる時もさほど口数は変わらない」
それは事実だった、
自分が無口である事を自覚してるのだから。


しかしそれは今の彼女に通じる事はまず無かった、
感情が高ぶっていて話を聞く姿勢ではない。
「でもぉ…っ、…わたしとより…ずっとずっと楽しそう…」
俯いて肩を震わせる、最初笑ってるのかと思ったが、
床に染みる水を見て泣いてるのだとようやく気付いた。
「…私はルナがどう見えようとルナと話してる時の方が楽だ」
ウンディーネのように話を遮られたりする事はまず無い、
話のテンポが丁度良い、
私の言葉にふと彼女は顔を上げようとするが
すぐにまた俯いた、
「…本当?本当に本当?」
何度も繰り返す言葉。


「ああ、ここは居心地が良い」
闇の力が満ちている、悪い闇ではなく、
光の影である光の存在を現す闇。


闇があるから光が映える、

光がそこにあると知れる。

私にとって光の子供の光は眩し過ぎる、

月の娘のような優しい光が丁度良い、

私が消されない、

私が浴びる事が許される、

心地よい光、






「貴女が私を照らし私と言う存在が確立する」





「私は恐れる者となり貴女の存在を示そう」





































栞語録
うわーい!ついに書いてしまいました聖剣精霊擬人化話!!
しかも私の好きなカップリングでvv闇月ですvv
時間的に聖剣3のED後辺りです…闇のマナストーンのあるところ…
一体何故消滅を…
1:アンジェラの隕石魔法
2:デュランの大地が噴出する必殺技
3:リースの召喚魔法
さぁ、どれでしょう…☆









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